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当クリニック院長 石塚俊二が医療を中心に情報発信
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41 医療のギバ-

2024年の年頭に私が最近、医療において特に感じることをお伝えしたいと思います。
年始の外来である高齢者の患者さんから私が年賀状に一言添えた言葉にお礼を言われていたとスタッフから聞くことがあった。何気ない言葉であったが正直にその患者さんを想像して書いた言葉であった。
私の言葉は大したものでもないが、時に一つの言葉や小さな優しさが人を助けたり、人の気持ちを救ったりして人生の転機になったという話は時々聞きます。

 

医療においても患者さんに話しかける、言葉をかけるとういうのは本当に重要だと思います。その言葉はその人の気持ちと真剣に向き合い、想像したときの素直な気持ちでなければ人には伝わらないと思います。
その行為の根源は“与える”ということです。
英語で言うと“give(ギブ)”で、与える人は“give”に”er”をつけて”ギバ-“となります。
一般社会のビジネスにおいては、人が成功するためには、人とどのように”ギブ&テイク“するかに大きく左右されます。
私たちが働く社会では人々が密接に結びつき人間関係と個人の評判が重要となっているからです。

 

作家のアダム・グラントは、人間は3つのタイプに分けられると言っております。

  1. テイカ-:他人に与えるより常に自分が多く受け取ろうとする人
  2. ギバ-:他人に惜しみなく与えられる人
  3. マッチャ-:与えることと、受け取ることのバランスを考えて行動する人

多くの人が、これらの一つに固定されているわけではなく、その時の役割や関係性によって使い分けることが大半だと考えられます。
しかし、ビジネスの場では、たいてい3つのタイプのうちのどれか1つになって人と関わっているそうなのです。

 

マラソンランナーのイメージイラスト

では、ビジネスでは3つのタイプのうち成功するのはどのタイプなのでしょうか。
短期的に成功するのは”テイカ-“ですが、長期的な視点で成功するのは”ギバ-“だそうです。ギバ-であることは100メートル走では役に立たないがマラソンでは大いに役立つと述べられています。
ではなぜ”ギバ-“は成功するのでしょうか。
ビジネスもどの社会も多くはチームで動いていることが大体です。自分の利益よりもグループ全体の利益を考えて行動し、価値を交換するのではなく全体の価値を増やそうとします。
全体のパイが大きくなれば、チームが共有する成功も大きくなり自ずとギバ-が与えられ成功も大きくなるということだと考えられます。

 

見返りなく与えられた人は同じように他の誰かにその恩を送るようになりそれよりチーム内の良好な繋がりが生まれます。
ギバ-であるとチーム内での信頼が高まり、それによりちょっと大胆で挑戦的なアイデアを出してもまわりに特別に認められるとういことが研究でわかっている事実だそうです。
ギバ-であることは成功に繋がるが、注意点が2つあります。まずは、自分を犠牲にしてまで他人に尽くす必要はないということ。そして、成功するとしても結果がいつでるかわからないということです。
非常に長い時間軸をおいて、ギブはかえってくるものなので長い目で考えることが大事です。

 

医師と患者さん診察のイメージイラスト

医療はビジネスではないので、医療における成功は、患者さんと医療者が手を携えて、共に病気と向き合う。その思いが何よりの大切である。
医師は、厳しい病に罹患した本人と向き合う状況では、例えば”痛い“と痛みを感じる本人と痛いと言われて”痛いだろうな“と推測する者の間の異なりを意識する。最初はあなたには私の気持ちは分からないという”分かり合えない“という関係だが、治療のプロセスにおいて本人と医師はチームとして対応していく。
その中で、どれだけ思いやりを持って示せるか、つまり患者さんが今どのような状況でその言葉を発しているかを自身の感性をフルに使って想像することが重要である。
そういう医師が全身全霊を込める態度や言葉が医療におけるギバ-であり、そこから一緒になって病気に向き合い進み自らチームとなって互いに仲間であり一緒に病気に向かう姿勢となると思う。

 

患者さんと同じものを見ている、同じものを見ようとする姿勢が大切であり、もっと踏み込んで医師は患者さんが見ていること感じていることを自分も見たい、感じたいという姿勢で、患者さんの傍にいようとし続ける時に、その姿勢を与え続けている時に”私のことを分かろうとしてくれた“と受け入れられるのではないだろうか。治療が特別なものでなくても、最先端の医療でなくてもそのような姿勢を与え続けられるような医師になりたいと何十年医師をしていても思う。

 

令和6年1月:いしづかクリニック 
院長 石塚 俊二

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